NHKスペシャル 父と子 市川猿翁・香川照之

この日曜日のNHK。

市川猿翁、香川照之親子の昨年の襲名披露公演までの
ドキュメント。

今でも心に残り、なぜか考えてしまいます。

この親子はその当時猿之助だった猿翁は当時浜木綿子と婚姻関係にあったが、
子供の香川照之がまだ幼い時に、離婚。その後父猿翁とは会っていない。
その親子が今、舞台で襲名をともにし、今までしてこなかった親子の関係を築いてる。

いろいろとエピソードがありましたが、
どれも納得したり、分からないな、と思ったり。
ただ、心に残るんです。

猿翁の「（中車の歌舞伎入り、襲名に関して）大きな力を感じる、大きな力に導かれている」

香川自身が、強い意志で歌舞伎界への希望を
していても恐らく、10年前は難しかった。
けれど今は、現実的に彼の意思通り、父との時間を作り、
歌舞伎の世界に入り、父猿翁の指導をうけ舞台に立つ。

猿翁の言うとおり、「大きな力に導かれてる」


この年齢で、歌舞伎の世界に入る事は正直大変だと思う。
私は20歳のころ、日舞の名取を取ったけれど、3歳からやっているという人には
どんなに踊りこんでもかなわないって思いました。
だから、本当に大変さがわかりますが、そんなリスクをおかしても、
彼が入ったのに、止めたらいいのにとも思いますが、そんな事、重々承知で、
心にずっとあった、「歌舞伎に対する気持ち」をこのままにしておくことは
彼にとっては出来なかった。
だから勇気を出した。

考えただけで、この見えない何かの力の大きさ、強さに震えます。

猿翁も、脳梗塞で体が自由にならないが、
体いっぱいすべてを表現する。香川に対しての指導も言葉にならない
気持ちを語ろうとする。

何かに導かれた、この二人に言葉にならない位、
感動に打ち震えた。
自分の生き方に何かつながるかと思う位。

猿翁のファンだった故、きっとひいき目でみてしまいますが、
出会えてよかった。

また、再放送があったら必ず見ます。